サウザー――聖帝の拳と油断

北斗の拳

南斗鳳凰拳・サウザーという「最強最悪の男」の真実

北斗神拳と並ぶもう一つの拳法――南斗聖拳。
その頂点に君臨するのが、「南斗六聖拳」の一角、“将星”の宿命を背負うサウザーである。

彼がなぜ「最悪の悪役」でありながら、読者に強烈な印象を残すのか?
その理由を、彼の拳法、過去、野望、そして最期まで徹底的に紐解いていこう。


■ 帝王の星を宿す男 ― サウザーとは何者か

南斗聖拳の中でも頂点に立つ「南斗六聖拳」。
その中で最も強く、最も孤独な星――“将星”を背負うのがサウザーである。

将星とはすなわち「帝王の星」。
支配・独裁の象徴であり、南斗鳳凰拳を継承できるのはこの星の持ち主のみ。

南斗鳳凰拳もまた、北斗神拳と同じく“一子相伝”の拳。
それゆえに、類まれなる才能と非情さ、そして師を超える覚悟が必要とされる。

実際、サウザーは15歳のときにその“師超え”の儀式を受け、愛する師・オウガイを自らの手で葬ることとなる。
その苦しみが、後のサウザーを作り上げた。


■ サウザーの特異体質――北斗神拳をも超える肉体

サウザーのもう一つの異質さは、その肉体にある。

彼は「内臓逆位(レフティ)」という特異体質を持っており、
心臓や秘孔の位置が、通常の人間とは左右真逆となっているのだ。

このため、北斗神拳の秘孔を突いても効果が出ない。
ケンシロウでさえ初戦では全く通用せず、敗北を喫している。

この謎を見抜けたのは、北斗三兄弟の中でも医学に通じたトキのみだった。


■ 孤児から聖帝へ――サウザーの来歴

サウザーは元々、孤児だった。
そんな彼を拾い、育ててくれたのが南斗鳳凰拳の伝承者・オウガイ。

サウザーはオウガイを「お師さん」と慕い、厳しい修行にも全力で取り組んでいた。
だが、運命の15歳――「敵を倒せ」と命じられた試練において、その敵がオウガイ自身だったことを知ったとき、
サウザーの心は完全に壊れた。

「こんなに哀しいのなら、愛などいらぬ!!」

以降、彼はあらゆる愛と情を否定し、暴政の道へ突き進んでいく。


■ 聖帝の野望と南斗の崩壊

サウザーは「聖帝」を名乗り、圧倒的な権力を握る。

彼はユダを裏から操り、南斗六聖拳を分裂させ、
聖帝軍を築き上げることで乱世の覇者となっていた。

その象徴が“聖帝十字陵”。

子どもたちを酷使し、巨大な陵墓を建設。
まさに「暴君」の名にふさわしい非道な振る舞いを見せる。

これに対し、盲目の義士・シュウがレジスタンスとして反旗を翻し、
そこにケンシロウが合流。いよいよ、聖帝と北斗の激突が始まる。


■ ケンシロウとの死闘、明かされた過去

ケンシロウとの初戦はサウザーの圧勝だった。

最終決戦においても、序盤、サウザーの破壊力を垣間見ることができる。余裕をみせず連続で攻撃をしていればケンシロウに勝っていただろう。

だが、謎を見抜かれ奥義の応酬となり、ついにサウザーはケンシロウに敗れる。

その最期、ケンシロウにこう問う。

「愛や情は哀しみしか生まぬ…なぜ、背負う…?」

ケンシロウは静かにこう答える。

「ぬくもり」

この言葉に、かつての記憶――師オウガイの温もりがよみがえり、
サウザーは涙を流し、少年のような顔で、オウガイの亡骸に縋りつきながら息絶えた。


■ 聖帝十字陵――哀しみを封印するための“墓標”

聖帝十字陵は、単なる権威の象徴ではない。
それはサウザーにとって、愛と哀しみを封印するための“心の墓”だった。

亡骸となったオウガイは、陵墓の最深部――聖室に安置されていた。

シュウを人柱に捧げ、ケンシロウをも土台に使おうとしていた構造には、
サウザーの狂気と孤独、そして“完全に愛を断ち切ろうとする意志”が込められていた。

だが、サウザーが涙を流し、人としての心を取り戻した瞬間――
陵墓は崩壊し、哀しみを封じ込めることに“失敗”した証となった。


■ サウザーは本当に「悪」だったのか?

サウザーはたしかに“極悪非道”なキャラクターだった。
だが、その根底には「大切な人を殺してしまった哀しみ」と、
「もう二度と傷つきたくない」という弱さがある。

ケンシロウと対峙することで、彼はその弱さに向き合い、
最期の瞬間には、涙を流しながら“人間”として終わった。

だからこそ、彼は読者の心に強く残る。

「最強最悪の敵」であると同時に、
「もっとも人間的な悲劇」を背負った、南斗聖拳最大のヒール――
それが、聖帝サウザーなのだ。




※ぶっちゃけ、記憶はけっこう曖昧です(笑)。

細かいセリフや展開を間違えてるかもしれないけど、当時の感動やワクワクだけはハッキリ覚えてる!

そんな“うろ覚え愛”で綴る回顧録、どうか楽しんでもらえたらうれしいです。

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